架空請求・不当請求への対処法
最近、急増しているものとして、ハガキや封書、Eメールによる身に覚えのない架空請求・不当請求があります。
内容も以前から問題になっていたワン切りに加えて、ダイヤルQ2やツーショットダイヤル、アダルトサイトなど、利用していないにもかかわらず、利用した手数料と称して請求し、また「最終通告」と称して請求に応じない場合には自宅まで押しかけるぞなどの脅し文句によるものが一般的です。
こういった架空請求や不当請求を行う者は、あたかも法務省認可の債権回収業者であるかのように装っていますが、その住所は実在しなかったり、仮に実在してもその住所に「債権回収業者」は存在しません。
債権回収会社を詐称している等との情報の提供があった業者名の一覧(法務省)
このような架空請求・不当請求のハガキや封書、Eメール等が送付された場合の対処法は、「払う必要のないものは絶対支払わない」と毅然と無視することが重要です。メールの返信や電話で問い合わせた場合、あなた自身の個人情報が漏れる可能性が高く、さらなる架空請求・不当請求を招きかねません。
下記に携帯メールの架空請求の一例がありますが、実際にメールを送付した業者が強制執行するようなことは一切ありません。
架空請求・不当請求がきて不安である場合には、各地の消費生活センターや警察署、お近くの行政書士に一度相談してみてください。また、手元にあるハガキや封書、Eメールは証拠として必ず保管してください。
●支払督促・少額訴訟を悪用した架空請求・不当請求
しかし、ごく最近になって、裁判所の支払督促・少額訴訟制度を悪用した架空請求・不当請求を行うケースが増えています。
支払督促は、申立人の一方的な主張にて申し立てることが可能であるため、支払督促が確定した場合、訴訟における判決と同じ効力を有し、強制執行が可能になります。そのため、支払督促で送付された架空請求・不当請求の場合、架空請求・不当請求であるから無視していると、ウソの請求が本当の請求として強制執行の対象になってしまうことになります。また、少額訴訟の場合には、原則として1回の裁判だけで判決が出ますので、架空請求・不当請求であるから無視して裁判の当日に欠席すると、ウソの請求が判決で認められてしまいます。
架空請求・不当請求を支払督促の形式で送付された場合ですが、支払督促は裁判所から特別送達(書留の一種)という形で、封筒にて送付されます。封筒の中には、支払督促とともに督促異議申立書が同封されていますので、支払督促を受け取った場合には、受け取った日から2週間以内に督促異議申立書を裁判所へ送付する必要があります。
督促異議申立書を裁判所へ送付した場合、支払督促は通常訴訟へ移行することになり、裁判にて行うことになります。
また、少額訴訟については、民事訴訟法第373条に基づいて、通常訴訟へ移行させる旨を答弁書に記載する必要があります。これにより、少額訴訟は通常訴訟へ移行することで、より慎重な審理を裁判の中で行うことになります。
なお、支払督促や少額訴訟の場合、裁判所から送付されるのは特別送達かつ封筒によるものであり、ハガキによる支払督促は行っていません。
ハガキによる支払督促を装った通知書については、一般的な架空請求・不当請求と同様に無視することが最善です。
督促手続・少額訴訟手続を悪用した架空請求にご注意ください(法務省)